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● 2007年05月01日 読売新聞
布製品や衣類についたニオイを消す消臭スプレーは、誕生から10年に満たない歴史の浅い商品分野。市場を切りひらいたP&Gの「ファブリーズ」に、後発の花王「リセッシュ」が追いすがる。
(幸内 康)
布製品や衣類のにおいは「洗濯で落とす」。P&Gは1999年3月に全国発売したファブリーズで、この常識に挑戦した。
たばこや焼き肉のにおいが染みついたカーテンやソファカバー、ほとんど毎日着る制服などに消費者のニオイに関する悩みがあることをP&Gは調査で把撞していた。だが、これらの布製品や衣類は類繁に洗うわけにはいかない。そこで、消臭成分を含んだ水を霧状にして吹きかけ、布の繊維の奥に潜む原因物質まで届ける方法を採用した。
当初、スプレーをかけて衣類などをぬらすことに、消費者は抵抗感を示し、売り上げは伸び悩んだ。P&Gは、くつや子供用の毛布、スポーツバッグなどへの使用を提案した。具体的な使い方を提案するテレビCMを発売後8年間で約100本放映し、消費者の認知度を上げた。
P&Gによると、布用消臭スプレーの市場規模は、横ばいの年はあったもののおおむね拡大を続け、05年7月〜06年6月には約170億円に達した。そのうちファブリーズは7割弱のシェア(市場占有率)を占めるという。これに対し4割弱のシェアと主張するのが花王のリセッシュだ。
花王も、働く女性が増え家事に時間と手間をかけられなくなっている消費者の生活実態や、密閉度が高くにおいが目立つようになった住環境に注目した。参入にあたり「市場を作ったファブリーズは強い。シェアを奪うのではなく、市場を活性化し拡大させる」(牛越靖・ホームケア事業グループ部長)ことを目標にした。
肌に直接触れる衣類にスプレーするだけに、消費者は化学製品への不安がある。このため、花王はリセッシュに、古くから消臭や殺菌に使われてきた緑茶に含まれる成分をそのまま配合した。さらに、06年4月に改良新発売した際には霧の粒の直径を従来品の3分の1にして空中に漂いやすくし、「空間の消臭」という使い方も打ち出した。
P&Gは「リセッシュ発売で市場が拡大した」(三田村守・ブランドマネージャー)と余裕だ。その一方で、車用、ペット用などスプレー式の種類を増やし対抗策を怠らない。部屋用置き型とトイレ用の消臭・芳香剤も発売し、「布用スプレーから始まり、消臭の大きなブランドにしていく」(三田村氏)方向だ。
ダイエー碑文谷店では、客に対し「ファブリーズは車やペット用などシリーズがそろっている」「リセッシュは香りが漂いさわやか」と勧めるという。
布用消臭スプレーは、メーカーがにおいに敏感な消費者のニーズに応えるために生み出した。競争の中で、新しい生活習慣が定着しつつある。
| リセッシュ | 製品名 | ファブリーズ |
| 花王 | メーカー名 | P&G |
| 2005年8月 | 全国発売の時期 | 1999年3月 |
| 370ミリ・リットル | 内容量 | *370ミリ・リットル |
| 400円前後 | 店頭実勢価格 | *500円前後 |
| 天然の茶葉 | 消臭成分 | トウモロコシ由来 |
| 4割弱 | シェア(自社調べ) | 7割弱 |
*ファブリーズは、「ファブリーズ除菌プラス」の場合
2007年5月1日 読売新聞